今回は、新卒銀行員から仏教を学びお寺の副住職へとなった油小路和貴(あぶらのこうじかずき)さんにインタビューを行いました。
これから何か始めよう、漠然と将来が不安、若者を応援したい!様々な想いを持ってこの記事を読んでいただけると、新たな発見があると思いますのでぜひ最後までご覧ください。
プロフィール
名前:油小路和貴(あぶらのこうじかずき)
所属:佛現寺 副住職、とまり木プロジェクト 代表
略歴:地元の小学校。中学から大学まで同志社。卒業後、地元の金融機関に就職。2年間お坊さんの学校に通った後、龍谷大学の大学院で仏教を学んでお坊さんになる。
今までやってきたこと
とまり木プロジェクト
現在は、株式会社Gns代表の渡邊と、とまり木プロジェクトの運営をしています。
「佛現寺を色々な人の ”人生のとまり木” となるようなお寺にする」ためのプロジェクトで、様々なイベントを立ち上げて活動しています。
とまり木に込められた意味は、お寺に来た人がただただゆっくりほっこりしてもらうもよし、楽しんでもらうのもよし、挑戦の踏み台でもよし、挑戦した後に戻るのもよし、そんな人生の止まり木のような場所でありたいという思いが込められています。
とまり木プロジェクトHP
今までやってきたことの経緯
大学を卒業したあとは3年ほど銀行に勤めていたのですが、ある日、大好きな祖母の突然の死によって、自分もいずれ死ぬんだということを実感しました。
自分が最後にした大きな選択は就活でしたが、周りがやっていたので合わせて選択しただけで、自分が本当にしたいと思っての決断ではなかったのです。だからこそ、そんな状態では死ねないと。
そんな時に、YouTubeで仏教の動画を見て、なんでも自分にベクトルを向ける仏教の考え方に心惹かれました。
住職である父にも相談した結果、銀行員をやめて仏教の道に進むことになります。「宗教にハマっていったというか(笑)」
仏教にのめり込んで研究までしていく中で、知識ばかりが増え、お寺・宗教について学んだことと現状にギャップを感じ始めました。
観光寺院を除いた私のお寺のような町寺は門を閉ざしていることが多く、法事やお葬式以外にお坊さんと会う機会があまりなく、宗教自体もよくわからないものを盲信するというイメージを世間から持たれていたのです。
元々は宗教に対して全く興味のない状態から仏教にのめり込んだ自分なら、このギャップを埋められるのではないかと感じました。
その一方で子育てが忙しい、修論が終わらないなど、できない理由ばかりを並べていましたが、たまたま小学校の新年会で10年ぶりぐらいに再会した株式会社Gns代表の渡邊に悩みを打ち明けたところ、一緒にやろうと声をかけてもらい挑戦することになりました。
この愚痴から始まったプロジェクトが「とまり木プロジェクト」なのです。
今注力していること
てらのみ
市長が来たりコラボが生まれたりもする代表的なイベント。
お酒を飲みながらお寺で語り合います。
語りテラ
株式会社カタルシスと共催しているイベント。
月に一回、オフラインでもオンラインでも自分の自己変容・自己内省をフランクに話し合うコミュニティを作っています。
Picture of 171Q Kyoto
京都市と株式会社コエルワととまり木プロジェクトが共催しているイベント。
公民連携で1719番目のまちを作ろうというイベントです。
その他にもお母さん向けの「ぴらてぃす」やアトツギの交流会、死生観について語る「もしバナゲーム」などのイベントも開催しています。
集客に関してはイベントごとに違いますが、基本はInstagramで告知をしています。
それぞれのイベントで来る層が違うのですが、色々なイベントに参加してくれた人たちがてらのみで集結し、そこでまた新しい出会いが生まれていることに面白みを感じています。まさに台風の目の真ん中のような、良いカオスを生み出せていると思います。
これからチャレンジしたいこと
直近のものだと、今年、とまり木プロジェクトを法人化しようとしています。
事業性のあるイベントなどは法人化したとまり木プロジェクトで回していきたいのです。
というのも、私は誰よりもお坊さんでいたいのです。お金を稼ぐくせにってね(笑)
ビジネスなどお金を儲けることも、宗教と同様に本来の見え方とギャップのある見方をしているのでは?と感じています。
ビジネスで言うと、合理性・効率性はかなり必要な要素ではあるものの、あくまでもビジネスの1要素でしかないと思っていて。
上記の要素を内包した上で誰かの困りごとを解決していくのがビジネスの本質だと思うので、そこを打ち出していきたいと思っています。
また、法人化したとまり木プロジェクトで得た収益で、お寺の維持等も賄っていきたいと考えています。
現状、お坊さんの収入はお葬式等のお布施がメインになっています。
本来お布施は「気持ち」を表したものなのですが、このお布施にも実は相場がありまして、そこに問題を感じていると言う側面もあります。
私は「お布施はお気持ちで」を体現したお坊さんになりたいと思っています。
なのでいただくお布施は0円でも1億円でも、気持ちに応じたものであればいくらでも構いません。
ビジネス坊主という側面を持ちつつも、そういったところで得た収益でお寺を維持することによって、誰よりも本来のお坊さんでありたいのです。わがままなんですけどね。笑
最近”リグった”こと
今年に入ってから、話し方を意識しようとしています。
具体的には話すスピードを0.7倍にして、相手に言葉を丁寧に手渡ししていくイメージを持って話すことを心がけています。今までは思いやテンションに任せて話すことがあったんですけど、思いの方が強すぎて脇道に逸れて戻って来られなくなることがありまして。
なので、伝えたいことを相手にしっかり伝わるようにするために、話し方に気を配っています。
最近だと、話している人たちに「話し方変えた?」や「言葉を一つ一つ大切にしている感じがするね」など、話し方の変化に気づいてもらえることも増えてきました。
ただ、完全に変え切れているわけではないので、厳密には今はリグり中ですね(笑)。
読む人に向けてコメント・メッセージ
私がどの活動においても大事にしていることがあります。
それが「自由であろう。」ということです。
この”自由”は仏教的に捉えた”自由”のことなんです。
自らに由(よ)ると書いて自由。
お釈迦さんも「サイのツノのようにただ独り歩め」という言葉を残しています。
サイの頭部にそそり立つ太い一本角のように、ただ独りで自らの歩みを進めなさいと言う意味です。
自分を拠り所にしていくのです。
ただ、自らによった結果、自分には何もないじゃないかとなることもあります。
そんな時は、何もない自分を認めてあげて下さい。無いことに気づけたことが素晴らしいことであり、その気づきが資産になります。
何もないのであれば、これから探しに行けばいいのです。
そうしてひたすら自分に向き合っていくことが、何をするにも大事だと思います。
各種SNS
油小路さんのInstagram
佛現寺ホームページ
とまり木プロジェクト(note)
One’s Lig・Ligueeについて
One’s LiGは、“リグる”を届け、新たな世界への入り口をつくるアパレルブランド「Liguee(リグイー)」が運営するメディアです。
日常生活からリグる(「殻を破って羽ばたく・挑戦する」)を想起させるため、カジュアルなパーカーやTシャツ・スウェット等のアイテムを用意しています。
なお、One’s LiGでは、「様々なチャレンジャーの生き様が新たなチャレンジャーの入り口となるメディア」をコンセプトに、チャレンジする人の生き様を伝えることでチャレンジを伝染させることを目的としています。
One’s Life = “生き様”のスラング、Gate = 扉、入り口、LiG ≒ リグる
Ligueeアイテムの紹介
Libereit TW-24 ホワイト(刺繍)
Liguee定番のオリジナルTシャツ。
11.3ozと少し厚めのシャツですが、コットンなので吸水性がよく生地の高級感も抜群です。
¥8,800(税込)
Liguee PLS-24 ポロシャツ(刺繍)
極上の肌触りと快適さを追求したポロシャツです。
¥12,300(税込)
Exelf SW-23 ホワイト(刺繍)
シンプルなデザインで真冬でも暖かい厚手裏起毛パーカーです。
¥12,000(税込)
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