1. はじめに:なぜ「終わり方」を語るのか
起業は多くの人々にとって夢と希望に満ちた挑戦であり、新たな価値創造の源泉です。
しかし、その華やかな側面ばかりが強調されがちですが、現実にはすべての起業が成功するわけではありません。
事業の継続が困難になった際、「どのように終わらせるか」という「終わり方」を知ることは、起業家としてのキャリア、ひいてはその後の人生を左右する重要な要素となります。
本稿では、「失敗」というネガティブな側面として捉えられがちな事業撤退を、「戦略的撤退」という前向きな選択肢として捉え直し、そのリアルな実態と賢い「終わり方」について考察します。
リグコラムのプチコラム
筆者の一推しドラマ、ハゲタカ(2018年版)。
外資系ファンドの日本社長として様々な企業の債権や株式を買取り、事業を再生していく物語。金融や事業再生・企業経営に従事する方は全員見た方が良いです。
人生で本当に大切なものはなんなのか、という永遠のテーマを、金融や経済の視点から考えれられるようになります。

2. データで見る「起業のリアル」
起業を取り巻く環境は厳しく、多くの企業が早期に事業を終えています。中小企業庁のデータによると、開業から1年後の生存率は約60〜70%、3年後には約50%、5年後には約40%、そして10年後には約10〜20%にまで減少するとされています。
これは、起業した企業の約8割が10年以内に事業を終えることを意味します。この生存率の推移を視覚的に捉えると、以下の図解のようにピラミッド型で表現できます。

事業が継続できなくなる主な理由としては、資金繰りの悪化、人手不足、後継者難、そして市場とのミスマッチなどが挙げられます。
特に近年では、物価高や人手不足に起因する倒産が増加傾向にあり、2025年には倒産件数が12年ぶりに1万件を超えました。
また、経営者の高齢化と後継者不足も深刻な問題であり、約53%の企業で後継者が不在という現状があります。
3. 「倒産」と「廃業」の違いを知る
事業の「終わり方」には、大きく分けて「倒産」と「廃業」の二つがあります。これらは混同されがちですが、その意味合いと起業家への影響は大きく異なります。
倒産とは、企業が債務超過に陥り、支払不能となることで事業を継続できなくなる状態を指します。倒産には明確な法的定義はなく、一般的には「法的手続き」と「私的手続き」に大別され、それぞれに事業の再建を目指す「再建型」と、事業を清算する「清算型」が存在します。
倒産の分類
倒産は、その手続きの種類によって以下のように分類されます。
| 分類 | 概要 | 具体的な手続き |
| 法的手続き | 裁判所が関与し、法律に基づいて進められる手続き。債権者保護や公平な処理が重視される。 | |
| – 再建型 | 事業の継続を前提に、債務の減免や返済計画の見直しを行う。 | 民事再生手続き、会社更生手続き |
| – 清算型 | 事業を停止し、残った財産を換価して債権者に配当する。 | 破産手続き、特別清算手続き |
| 私的手続き | 裁判所を介さず、当事者間の合意に基づいて進められる手続き。柔軟な対応が可能だが、債権者全員の同意が必要。 | |
| – 再建型 | 金融機関とのリスケジュール交渉など、事業の立て直しを図る。 | 任意整理、私的整理ガイドラインに基づく手続き |
| – 清算型 | 任意売却や事業譲渡などにより、事業を停止し清算する。 | 任意売却、事業譲渡 |
一方、廃業とは、経営者の意思に基づいて自主的に事業を停止することです。必ずしも経営状態が悪いわけではなく、後継者不在や経営者の健康問題、あるいは新たな事業への転換といった理由で、黒字経営のまま廃業を選択するケースも少なくありません。
廃業は、倒産と異なり、法的な債務整理を伴わないため、その後の起業家人生への影響も比較的少ない傾向にあります。
以下の図解は、倒産の詳細な分類を示しています。

4. リアルな撤退の瞬間:いつ、どう決断すべきか
事業撤退の決断は、起業家にとって最も困難なものの一つです。しかし、「まだいける」という希望的観測が、状況をさらに悪化させることも少なくありません。賢明な撤退のためには、感情に流されず、客観的な指標に基づいて判断することが重要です。
撤退ライン(損切りライン)を事前に設定しておくことは非常に有効です。例えば、「キャッシュが3ヶ月分を切ったら撤退を検討する」「半年間、目標とする売上を達成できなかったら事業を見直す」といった具体的な基準を設けるべきです。また、精神的な限界や健康状態も重要な判断材料となります。事業への情熱が枯渇し、心身の健康を害している状態では、適切な経営判断を下すことは困難です。
以下のチェックリストは、撤退を検討する際の客観的な判断基準です。

5. 賢い「終わり方」が次の挑戦を作る
事業を終えることは、決して「失敗」の烙印ではありません。むしろ、賢い「終わり方」をすることで、次の挑戦への足がかりとすることができます。
重要なのは、資産の整理と、従業員や取引先への誠実な対応です。残された資産を適切に処分し、債務を可能な限り整理することで、再起のための「ソフトランディング」が可能になります。また、従業員の再就職支援や、取引先への丁寧な説明と清算は、起業家としての信頼を維持し、将来的なビジネスチャンスに繋がることもあります。
事業撤退の経験は、起業家にとって貴重な学びとなります。何がうまくいかなかったのか、どのような判断が誤りだったのかを冷静に分析し、その経験を次の事業に活かすマインドセットが重要です。失敗から学び、成長することで、より強固なビジネスモデルを構築できる可能性が広がります。
6. おわりに:終わりは新しい始まり
起業における「終わり方」を知ることは、挑戦を恐れず、より大胆に踏み出すための知恵です。事業を終えることは、決して終わりではなく、新しい始まりの機会でもあります。挑戦したこと自体に大きな価値があり、その経験は必ず次のステップへと繋がります。
「終わり方」を知るプロの起業家は、一度や二度の挫折では決して諦めません。彼らは、困難な状況に直面しても冷静に判断し、賢く撤退することで、何度でも立ち上がり、新たな挑戦を続けることができるのです。この知識が、あなたの起業家としての旅路をより豊かで実りあるものにする一助となれば幸いです。
One’s Lig・Ligueeについて

One’s LiGは、“リグる”を届け、新たな世界への入り口をつくるアパレルブランド「Liguee(リグイー)」が運営するメディアです。
日常生活からリグる(「殻を破って羽ばたく・挑戦する」)を想起させるため、カジュアルなパーカーやTシャツ・スウェット等のアイテムを用意しています。
なお、One’s LiGでは、「様々なチャレンジャーの生き様が新たなチャレンジャーの入り口となるメディア」をコンセプトに、チャレンジする人の生き様を伝えることでチャレンジを伝染させることを目的としています。
One’s Life = “生き様”のスラング、Gate = 扉、入り口、LiG ≒ リグる
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Ligueeアイテムの紹介
Liguee Unda ハーフジッパースウェット(花ロゴ刺繍&バックプリント)

¥16,200(税込)
フロントの胸元には花ロゴを刺繍で上品にあしらい、背中には“Unda=波”をモチーフにしたバックプリントを大胆に配置。
揺らぎや流れを象徴するデザインが、日常に新たな表情を添えます。
柔らかな生地感と裏起毛の心地よさで、肌触りは抜群。
裏起毛は薄手仕様のため、秋口から真冬までロングシーズン活躍します。
襟部分は2枚仕立てで、立襟でも折襟でも形を美しくキープ。
さらに袖口と裾のリブにはストレッチ性を持たせ、ストンと落ちる自然なシルエットを実現しました。
「波のようにしなやかに、自分らしく。」
そんな想いをまとう、Liguee Undaのハーフジッパースウェットです。
Liguee Aurora ロングスリーブTシャツ(刺繍ロゴ&バックプリント)

¥11,000(税込)
フロントの胸元には繊細な刺繍ロゴを、背中には羽ばたく鳥のモチーフを大胆にプリント。
“解き放たれる想い” をデザインに込めた、Ligueeならではの存在感を放つ一枚です。
「Aurora」は、ラテン語で“夜明け”を意味します。
新しい一日の始まりを告げる光のように、未来へ羽ばたく自分を後押ししてくれる――そんな願いを込めて名づけました。
オープンエンド糸特有のドライなザラ感は、着込むほどに味わい深く身体に馴染んでいきます。
程よい厚みの6.2オンス生地はオールシーズン活躍し、袖口のリブがシルエットを美しく引き締め、カジュアルでありながら洗練された印象を演出。
一枚で主役になるのはもちろん、レイヤードにも最適です。
「新しい自分に出会う一歩を。」
その瞬間を支える相棒として、Auroraの名を冠したこのロングスリーブをぜひ手に取ってください。







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